いじめは犯罪絶対に許さない!
今回からすこしずつ、今まで私が読んだ「いじめ問題」の本をご紹介していきたいと思います。
いじめ防止活動の輪が広がればいいなあ、後を引き継いでくださる方がいるといいなあという思いを持ちつつ・・・。
まず、最初はこれですね。
私がいじめ問題に対する基本的な考えを学び、活動において育てていただいたのは「いじめから子供を守ろうネットワーク」です。
その初代代表が書かれて、渡辺昇一先生も寄稿されているブックレットは今は在庫ゼロになっておりまして・・・
現代表が書かれている本がこちらなのです。
ここには、いじめから子供を守ろうネットワークの基本的なスタンスがたくさん詰まっています。
イジメ問題というと、実際に当事者になってみてから、あれこれ調べたり、動いたりということが多いかと思いますが、日頃の生活の中で参考になる点をご紹介したいと思います。
第3章で「日頃のコミュニケーションがいじめ発見につながる」
とあります。
イジメ問題のむずかしさは、事件が表面化せず、水面下で進んでしまうことですが、できるだけスムーズに子供から相談をしてもらうには日頃から親子間のコミュニケーションをとっておくことが大事だとかかれています。日常生活で全く会話がない親子が、いじめ事件が起こってからあわてて関係を修復しようとしてもうまくいかないのです。
これは、同じで第3章で
いじめ問題を何例も見てきて、一つ気づいたことがあります。親が「私が守る」ということを子供に伝えられたとき、子は親から愛されていることを実感するんだと知りました。そんな子供たちはいじめによる心の傷を乗り越える力を発揮することが多いのです。
とありますが、そこにも通じるのかなあと思います。
実際、いじめを乗り越え、前向きな人生を歩んでいく人たちにも「親との良好な関係」がポイントになっているように感じています。やはり、人間関係の基本は、最初の他者である親との関係なんですね。
また、これは実際にいじめ問題が起こってからのことですが、いじめ解決のゴールは「謝罪」です。加害者から被害者に対する謝罪です。
同じく本書の第3章には、いじめ加害者からの謝罪を受けた元いじめ被害者の事例が紹介されています。
その為の方法論もたくさん詰まっている本です。
いじ目問題の基本にたち返るために、定期的に読み返したい本だなあと思いました。
いじめられている側にも原因があるという意見に対するはるかぜちゃんのさすがコメント、そして・・・。
以前にもLINEいじめについて秀逸な意見を述べ、また、朝日新聞のコラムに「いじめっ子へ」のメッセージを寄せたはるかぜちゃん、また「いじられる側にも原因がある」に対して相変わらず鋭い意見を述べてくれました。
小野田真里子@aisatoutopia「いじめられる側にも原因がある」に対するはるかぜちゃんの指摘が相変わらず鋭かった件 - Togetterまとめ https://t.co/t7fBwTlDgd @togetter_jpさんから
2016年10月19日 10:28
http://togetter.com/li/1038210
「いじめられる側に原因があるか聞かれたら 完璧な人間はいないので ある、と答えざるをえません けれどそれは、いじめる側が原因を相手の中に「見つけた」だけのことだと思います まずいじめる側に、誰かをいじめたいという目的(結果)があって その目的に向かって、原因を探し出されたのです。」
これは、アドラーの心理学的観点にも通じるご意見かと思います。
また、いじめっ子は「いじめる原因」を見つけます。
基本スタンスが「いじめる」なのです。
痩せていてもいじめられるし
太ってもいじめられます。
成績が悪ければいじめられるし、
優等生でもいじめられます。
つまり、原因があるからいじめるのではなく、「いじめる原因をみつけて」いじめるのです。
少し、観点をかえますが・・・
私は時々「いじめられたトラウマ」を抱えているという方から相談を受けることがあります。
少々厳しい言い方になりますが、いじめられた子が全員、トラウマを抱えて社会不適応になっているかというと、そうではありません。
多少スランプでも、目標を持って努力している人もいれば、中には感謝している人もいます。
「いじめらたこと」にとらわれて前に進めて人の中には、
「前にすすまない」
「不幸を選択する」
という立場を自分で決めて、その原因を「いじめられた経験」に見つけている人もいます。
いずれにせよ、人間はまず「こうする」という思いが行動を決めるということです。
いじめトラウマにとらわれている君へ
「いじめるというスタンスに立つような卑劣な人間に自分の人生を支配されるのは、もうやめませんか?」
いじめ防止ポスター掲示活動
先日はとてもうれしいお知らせがありました。
子供の学校に、「いじめから子供を守ろうネットワーク」のポスターが貼ってありました~と。
いじめから子供を守ろうネットワーク千葉では、毎年千葉県中の教育委員会をまわって、
ポスターの掲示依頼をしています。
このポスターですが、アメリカでの研究やノルウェーのダン・オールウェルズ教授の研究成果で、「いじめはよくない」「いじめをやめよう」というポスターを貼ることにより、いじめの抑止効果があるということです。
いじめから子供を守ろうネットワークのポスターはこのように黄色で目立ちますし、「いじめは犯罪」という強いメッセージを発しています。
もちろん、このポスターに限らず、手作りで「いじめをやめよう」というメッセージのポスターがあってもいいと思います。
ピンクシャツ運動のエントリーでピンtおやじさんが「私の役目は火種になること」とおっしゃっていましたが、いじめから子供を守ろうネットワーク千葉のこのポスターもそうだと思います。
いじめ防止の輪の火種になってくれればいいなあと思います。
もし、千葉の方でこのポスターを貼ってもいい、近くの商店に貼ってもらうための声掛けをしたいという方はご連絡をください。
掲示依頼のお手紙とともにポスターを送らせていただきます。
Email:kodomomamorochiba@yahoo.co.jp
です。
いじめ根絶動画プロジェクト
いじめ防止活動をしているといろいろな方と出会い、いろいろなプロジェクトが進むことがあります。
そんな活動の一つがこちらの「いじめ根絶動画プロジェクト」です。
いじめの「根絶」というと、違和感を持たれる方がいらっしゃるかと思います。私も、「根絶」は「撲滅」という言葉はめったに使いません。「いじめゼロ」もあまり使いません。
〈時々は使いますが。〉
いじめの被害者だった経験がある方の多くは「根絶」「撲滅」「ゼロ」という言葉にどうしても近寄りがたいものがあるという思いを聞いたときから、私は言葉にとても気をつけるようになりました。
ただ、この「いじめ根絶動画プロジェクト」は、被害者へのメッセージを最後にはつけてありますが、作成の趣旨が「加害者に向けて」だということを、企画者の百世さんに伺ったので、そのような強い言葉もあり、なのかなと思っています。
実際、私が重きを置いている「いじめから子供を守ろうネットワーク」のポスターには「いじめは犯罪!絶対に許さない」という言葉を使い、子供たちにメッセージを届けています。
まずは、動画をご紹介しますね。
次は傍観者に向けてのメッセージです。
私がこの動画プロジェクトに参加するようになったきっかけは、企画者の百世さんから「いじめから子供を守ろうネットワーク千葉」にメールをいただいたことから始まりました。
参加するための意思表明の期日は、あと2日という中、私はこちらにどうしても協力したいと思いました。しかし、「いじめから子供を守ろうネットワーク」として参加するには、稟議などをあげて・・・ということを考えると、どうしても間に合いそうもありませんでした。
ですから、all aboutいじめ問題担当ガイドとしての協力を申し出ました。
すると・・・後から知ったのですが百世さんは、私のall aboutのエントリーをよく読んでくださっていたとのこと。そして、動画を作成するにあたり、私のエントリーを参考にしてくださったとのことです。
どうりで・・・「私が伝えたいことの大半がここにある」と思ったわけです 〈笑い〉
この動画完成お披露目会の5日前に、百世さんとお会いして、お食事をしました。
少し、顔の傷が痛々しいのですが、その点ご了承を(^_^;)
(今はだいぶ落ち着いています。)
百世さんとの会話は、終始「いじめ」についての意見交換でしたが、これほど「いじめ」について見解が一致する方とは初めてお会いしたように思います。
ともに、子を持つ母親どうし、そして子供のいじめという共通の体験を経験したからかもしれません。(百世さんの体験の方が本当に、過酷でまさに「いじめサバイバー」でした。)
たぶん、いろいろな政治的な意見、「原発に対して」とか「安保法案について」は考えは異なるのですが、それもそれ、多様な意見があることを認めることは、大事だと思います。
今はオーストラリアに渡ってしまわれた百世さん、ともに「いじめ防止活動」の同志だと思っています。
百世安里さんよりこの動画に込められた思いを最後にご紹介いたしますね。
「いじめでは、なぜか被害者ばかりがスポットをあてられ、取り沙汰されます。 それは、被害者に原因があると思えば、放置している私たちにとって「罪悪感が薄まる」からです。 しかし、いじめを起こしているのは、加害者と傍観者。 いくら被害者が自衛したり周囲が守っても、ターゲットが変わるだけ。 加害者と傍観者を変えていかなくては、いじめはなくなりません。 私たち社会全体が、加害者と傍観者の対策へ目を向けるために、この動画を制作いたしました。」
ピンクシャツ運動
8月下旬のall aboutのエントリ-後半で、ピンクシャツ運動をご紹介しました。
私が、このピンクシャツ運動を知ったのは、いじめから子供を守ろうネットワークで北海道で精力的に活動している千葉先生が、とかちでこの運動を始めたことがきっかけです。
昨年、2015年10月に千葉で第一回のシンポジウムが開かれるということを聞いて、ボランティアを申し出たところ、なんと参加してくださる方の前でスピーチをする機会をいただきました。
ピンクシャツ運動についてはこちらがよくまとまっていると思います。
色々なご縁の中、千葉県のお近くの君津を中心にピンクシャツ運動をされている方々と知り合い、君津でのイベントにも参加させていただきました。
私は、いじめ防止指導員、いじめ相談員として活動をし、様々ないじめの現場に立ち会っておりますので、正直、ピンクのシャツを着るだけの活動では物足りないと当初感じていました。
実際、今でも私自身は、具体的な対処法を提案する立場です。
しかし、「いじめ」に対して、どうして「いじめをしてしまうのか」という青少年の心理を知るにつれこの運動は大事なのではないかと思ってきました。
拙書の中でも触れていますが、
子供たちの中を支配する価値観基準の主なものは
☆いま
☆ここ
☆皆のノリ
です。
つまり、「今」「ここで」「皆のノリ」でいじめが始まると、皆のノリから外れると自分が次はいじめのターゲットになってしまう可能性がある、と傍観者にまわるわけです。
さらに、青少年のうちは、
「他者からの評価」に敏感です。いじめ加害者が、とりまきや傍観者からいじめを承認され、容認されること、そして「あいつにさからうのはこわい」と一目おかれることは、彼らにとっては『報酬』なのです。これと、『これをすることによって将来よくないことが起こるかもしれない』という自己規制を比較すると、青少年の発達段階では前者が勝ってしまう傾向にあります。
そう考えると、「皆のノリ」を「いじめ反対」、そして「あいつにさからうのはこわいといじめを容認して加害者に報酬を与える」というものを「いじめなんて格好悪い」というふうに傍観者がメッセージを発することが大切だなあと思えるのです。
このピンクシャツ運動は、各地で行われています。(ピンクシャツを日本に広めましょう)
ピンクシャツをお一人お一人にボランティアで配って、この運動を広めようとしている方です。
その方にこの運動に対する思いを伺ってみました。
「ピンクシャツデーは集団の意識を動かす活動だと思ってます。 もともといじめの原因になったピンク色のシャツ。 それとおなじ色のシャツを被害者でも加害者でもないその他の人、大勢の傍観者を動かす(動く)ことで無言のアピールをする。 私がもっともすばらしいと思っているのはココです。 力も知識も勇気もないそのた大勢が暴力も腕力も言葉すら使わずに、ただシャツを着るだけでアピールできる。 気持ちを表すことができる。 無言の圧力?によっていじめから被害者をまもったというところです。 誰でもできるってことです。 実際このストーリーを知ったとき『これは俺でもできるな』と思いました。 無力な自分達傍観者、無力だけどいじめはよくないと思っている傍観者にもっともっと知ってもらい、考えてもらうきっかけになりたいと思ってます。
おしまいに よく、『ただで配ってたら続かないでしょ?』とよく言われます。 私のやりたいことは火種になること。 知ってもらった人の中で自分でも広めたいと思ってくれる人が増えていくことを願ってます。 私の作ってるシャツである必要はまったくありません。 シャツなんかなんでもいいんです。 売っても買ってもいい。 stop bullyingなんて書いてなくてもいい。 気持ちがこもってればいいと思います。」
この運動は先日、雑誌STORYでも取り上げられ、そこにピンtおやじさんも紹介されていました。
ピンtおやじさんも言われているように、このシャツでなくてもいいのですが、もし、このピンクのシャツにピンときたら、080-1240-2774に「ピンクシャツを希望します」と連絡してみてくださいませ。
「いじめなんて格好わるい」こういう考えが広がるといいなあと思いますし、この活動をされている方が「バレンタインデー」のように「ピンクシャツデー」が広がるといいとお話しされていましたが、私も本当にそう思います(^^)v
私も毎週水曜日、ピンクシャツを着てテニスをしています(^^)v
今は地元にいない グループから離れようとすると逆上するのはいじめ加害者の特徴
埼玉県の河川敷で16歳の少年の全裸の死体が見つかった事件で、同じ16歳や中学生を含む少年5人が逮捕されました。
最初に逮捕された少年(16)は「うそをついたり、電話やメールを無視したから殺した」などと供述していますが、その後の警察への取材で、井上さんが少年らに対して「今は地元にいない」といった趣旨のうそをついたことがばれて少年らが逆上し、暴行に繋がったとみられることが新たにわかりました。
以前、al boutエントリーでいじめがエスカレートする法則について触れたことがあります。
この埼玉の事件を検証してみると、まずは、役割が決まっていて、被害者は、加害者グループの「使い走り」つまり「下っ端」でした。ある報道では、来月からこの加害者グループが組織するグループに入る予定だったそうです。役割の中で、下っ端が嘘をついて自分たちから離れるということは、「許しがたい行為」ととるわけです。実際、執拗ないじめの加害者は、ストーカーのように被害者にまとわりつき、被害者が離れることを裏切りととって逆上するケースは多いです。これは、加害者も被害者に依存しているわけです。ひどいものになると、大学に入学をして東京に出てきて、加害者グループに居場所を知られないように暮らしていたのに、どこからか調べて、大学にまで現れるという事例もあります。
そして、グループの中では、中学生等は「やりすぎだ」と感じてはいたようですが、アッシュ博士の同調実験のように、同調者が多いため、少数の意見はいつの間にかなくなってしまい、結果、被害者を死に至らしめてしまったのです。
これは、なにもこの少年たちにだけ起きた特殊な事件ではありません。
どうか、いじめや暴力がエスカレートするメカニズムを知っていただき、防げるのは「大人だけ」という自覚をもって、子供たちの行動に目を光らせてあげていただきたいと思います。