ドイツ機の事故に思う 乗務員のストレスマネジメントを考えるべき

ドイツ機の墜落事故は、コックピットで操縦していた副操縦士に関して、その後いろいろなことがわかってきたようです。

訓練中にも、心身的な問題で一時期訓練を中断していたようですし、過去に交際していた乗務員からも「健康問題を抱えていた」という証言があるようです。

 

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また、2009年にも「重度のうつ病」が確認されていたようです。

 

時事ドットコム:ドイツ機副操縦士、09年に「過去に重度のうつ症状」と申告

 

ここで思い出していただきたいのが日本航空350便の事故です。

日本航空350便は、9分遅れの午前7時34分に福岡空港を離陸。その後、フライトプランに沿って順調に飛行し、8時35分には羽田空港への着陸許可を受け車輪フラップをおろして着陸準備に入る。

高度200フィート(約61メートル)までは順調であったがその直後の8時44分1秒、機長は自動操縦装置を切ると、突如として操縦桿を前に倒し、機首を下げながらエンジン推力を絞る操作と、エンジン4基のうち2基の逆噴射装置を作動させる操作を行ったため、機体は前のめりになって降下し始める。

エンジン音の異変に気付いた航空機関士が「パワー・ロー」と叫んで推力を戻し、副操縦士が操縦桿を引き上げたが、8時44分7秒、対地接近警報装置 (GPWS) の警告音がコックピットに鳴り響くなか、滑走路手前の海上にある誘導灯に車輪を引っ掛けながら滑走路直前の浅い海面に機首から墜落した。機体は機首と機体後部で真っ二つになったが、墜落現場が浅瀬だったため機体の沈没は免れた。

この墜落により乗客・乗員24名が死亡、149名が重軽傷を負った

というものですが、このときに自動操縦装置を切った機長も、総合失調症でした。そして、事故の後は、業務上過失致死罪により逮捕となったが、精神鑑定により妄想性精神分裂病と診断され、の状態にあったとして検察により不起訴処分となっています。事故を起こした機長は、心神喪失事故を起こした機長は、数度の異常な言動や操縦を行っていたが放置されていたのです。

パイロットは、乗客の命を預かる仕事でもありますし、空の上は地上よりも過酷な労働条件であるため、そのストレスは計り知れないものがあるのです。実際、パイロット経験者で長寿の方は少ないと言います。

そういう環境下の仕事であることを考慮するならば、過去に精神的な疾患を患ったものは乗務停止にする等の措置を法的に考えてもいいのではないかと思います。