いじめこうすれば防げる ノルウェーにおける成功事例

今回は、イジメ問題に関する古典と言われる本のご紹介です。

 

「いじめ こうすれば防げる ノルウェーにおける事例」

 

序論で訳者の方がこう書かれています。

学校でのいじめはずっと昔からあった現象である。ある生徒が仲間からのしつこい嫌がらせや攻撃にあっている様子は、文学作品にも描かれてきたし、また多くの大人は自分でも学校時代に経験したことである。このように、いじめはおおかたの人にとってなじみ深いものであるが、いじめについて組織だった研究がはじめられたのはごく最近ー1970年代の初頭ーになってからである。いじめの研究は長い間おもにスカンジナビアに限られていたが、1980年代の終わりから1990年代のはじめにかけて、日本、イギリス、オランダ、カナダ、アメリカ、オーストラリアなどの国々においても、一般の人々や研究者の注目を集めるようになった。

この本は、いじめを科学的、そして学問的に研究した点、そして、実際にノルウェーという国で政府が主導していじめ防止プログラムを立ち上げ、その後のそれについての追跡調査をしたものをまとめたもの、という点でいじめ問題に関して普遍的なことが学べる本です。

 

そのような非常に内容の濃い本であります。

 

例えば、

 

☆休み時間の監督といじめの関係

 

☆典型的「じめられっこ」の特徴

 

☆典型的「いじめっこ」の特徴

 

☆いじめと成績の関係

 

など、いじめに対して多角的なアプローチを試みています。

 

具体的ないじめ防止プログラムは、本を読んでいただくとして、第4部の「いじめ防止プログラムの核心」から、参考になる点、そして第1部いじめの実態と発見の指針から参考になる点をご紹介したいと思います。

 

「いじめ防止プログラムの核心」として、前提として「大人側の問題意識と真剣な取り組み」があげられています。第3部では、4つの実践的目標

 

1、イジメ問題に対する関心を高め、知識を蓄積して、イジメとその原因に関する謝った通年を打ち破ること

 

2、教師と親の積極的かつ真剣な取り組みを実現させること

 

3、いじめに対する明確なルールを作ること

 

4、いじめの被害者を力づけ、保護すること

があげられていますが、これもまずは「大人側の問題意識と真剣な取り組み」が前提とあるかと思います。

 

長くなりましたので、続きは次回としたいと思います。