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いじめ防止対策推進法とは10

今回も「いじめ対策推進法」の内容から始めたいと思います。

 

今日は第三〇条(公立の学校に係わる対処)です。

多くの人は公立の小中学校に通っていますので、とても大切な内容かと思います。

 

それでは、いきます!

 

第三〇条(公立学校に係わる対処)

地方公共団体が設置する学校は、第二八条第一項各号に掲げる場合には、当該地方公共団体教育委員会を通じて、重大事態が発生した旨を、当該地方公共団体の長に報告しなければならない。

 

これは「いじめにより当該学校に在籍する児童等の生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑いが認められるとき」は、学校は教育委員会を通じて、地方公共団体の長、つまり市長や町長、村長に報告しなければならないとするものです。

 

2016年は、このいじめ防止対策推進法をあざ笑うがごとく子供達の「いじめ自殺」が多発した年でしたが、多くは教育委員会はいじめだと認識していなかった、教育委員会に報告があがっていなかった、そして当然のごとく首長には報告が上がっていなかった事例でした。

 

つづきます。

 

2 前項の規定による報告を受けた地方公共団体の長は、当該報告に係わる重大事態への対処又は当該重大事態と同種の発生の防止のため必要があると認められるときは、附属機関を設けて調査を行う等の方法により、第二十八条第一項の規定による調査の結果について調査を行うことができる。

 

これは、学校の設置者は、

 

  • 「いじめのより当該学校に在籍する児童等の生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑いが認められるとき」
  • 「いじめにより当該学校に在籍する児童等が相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認めるとき」

 

は、首長は調査機関を設けることができるとするものです。不登校期間が長い場合、それがいじめの疑いがあるときには首長が調査機関を設けることができるとするもので、一見画期的なようにもみえます。次にはこんなことも定められています。

 

3 地方公共団体の長は、前項の規定による調査を行ったときは、その結果を議会に報告しなければならない。

 

ここまで読むと、いわゆる教育ムラと呼ばれる学校と教育委員会の癒着による<隠ぺいの自覚なき>「いじめの隠ぺい体質」に風穴があいたようにとれます。

 

し、か、し、

この学校や教育委員会を飛び越えて首長が調査できるとした条文を骨抜きにする付帯条項が以下につづきます。

 

4 第二項の規定は、地方公共団体の長に対し、地方教育行政の組織及び運営に関する法律<昭和31年法律第162号>第二十一条に規定する事務を管理し、又は執行する権限を与えるものと解釈してはならない。

 

5 地方公共団体の長及び教育委員会は、第二項の規定による調査の結果を踏まえ、自らの権限及び責任において、当該調査に係わる重大事態への対処又は当該重大事態とどじゅの事態の発生の防止のために必要な措置を講ずるものとする。

 

あくまでも、組織運営、執行権限は教育委員会にありますよ!ということです。

これについては、「教育行政の独立」を担保するためのものという解釈はできますが、そもそも戦時中の国民教育への反動からなされた「教育行政の独立」は、果たして「いじめ防止」に有効だったのかという検証をしなければならないと思います。

 

私は、いじめ問題は、子供達が変わったという点も否めないと思いますが、最大の問題は教育の現場に善悪のジャッジメントがないということ、そして、公務員の身分保障が身内をかばう体質を生み、堕落と腐敗を生んでいること(おそらくこれも現場の人間は自覚していません。)にあると考えています。

 

現場の人間に言わせれば、報告等の事務処理が多くなり子供達と向き合う時間が減ったというでしょうし、教育行政のトップ文科省に言わせれば「現場が言うことをきかない」ということになるでしょう。実際、いじめから子供を守ろうネットワークのメンバーが、文科省の役人と面会したときには、この台詞を聞いています。

 

しかし、私から見るに、お互いが世間知らずであり、民間の競争の原理を知らないゆえのズレたチェック機能、ジャッジメントしかなされていないという一言につきます。

 

実際、民間教育である「塾」では、陰湿ないじめは問題となりません。

 

これまでの教育行政の枠を超えた価値観で、しっかりとした仕組みをつくらないことにはいじめ防止の政策は実効的にならないと考えます。

 

今年も、教育は誰のためにあるのか、そしてよりよい「子供達が希望を持てる社会の実現」に向けて、いじめ問題に取り組んでまいりたいと思います。