所沢市の育休中の保育園退園勧告問題を考える

母親が下の子を出産後に保護者が育児休業を取得した場合、保育園に通っている上の子を退園させる「育休退園」を埼玉県所沢市が導入したのは違法だとして、市内8世帯の保護者11人が25日、市を相手取り、退園差し止めを求める訴訟をさいたま地裁に起こしました。

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これについて、ネット上でも様々なコメントが寄せられています。

 

ともすると

・仕事をしていないのだから子供を家で見るのはあたりまえ

・育児休暇をとれるだけで恵まれている

と本質とずれた議論になります。
特に、専業主婦の方からは「私は、家で子供を○○人育てました。」という内容もありますし、

・税金で運営しているんだから当たり前

という意見も見受けられます。

 

しかし、「育休中」であること、そして、この措置は今年度から突然始まったということが問題なのだと思います。

「育休中」ということは、仕事に復帰することが前提です。

仕事というのは、ずっと休んでいて、復帰したからといってすぐにできるものではありませんし、それなりに水面下では勉強を続けなければなりません。ここは、専業主婦とは違います。

 

また、育休をとれる、とれないはこの問題とは別の問題です。

子供たちは、保育園に通って、友人や先生と関係ができていますし、カリキュラムのそって過ごしてきたはずです。それが突然なくなる・・・幼稚園に転園するのだって前もってわかっていれば、見学等を重ねて熟慮できますが、それをする機会すら与えられず、計画を根底から覆されるようなこういうことを、短絡的に行うことが問題なのだと思います。

もちろん、時間外保育や延長保育等もすべて同様に受けられるようにしろとは言いませんが、最低限の保育環境は上の子にも確保してあげたいと思います。

 

しかも・・・復帰後に復園できる可能性がかなり低いとなれば、親たちが理不尽だと思うのは仕方ないのではないかという気もします。

核家族化が進む中、下の子が生まれて、育休をとったのなら上の子は自動的に退園しろというのは、「少子化」の解消にはつながらないのではないかと思います。

そして、なによりも首をかしげるのは、「税金で運営されているんだから従うのが当たり前」という論調です。

育休をとる母親も納税者の一人ですし、保育料というのは所得に応じて決められますので、しっかりと払うべき人は払っており、公的な施設だから安いというのは誤解です。月に8~10万年払っている人もいるくらいです。

所沢市長さんには、この点、きちんと次の公約に上げていただき10月の選挙では民意を問うてほしいですね。