自力救済は認められていない
さて、今回は、いじめられたからといって仕返しをしていいのかというテーマについてです。
文部科学省のいじめの定義
「いじめ」とは、
「当該児童生徒が、一定の人間関係のある者から、心理的、物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているもの。」
とする。
なお、起こった場所は学校の内外を問わない。
とあります。
ですから、いじめを受けているものが「いじめ」だと感じればそれは「いじめ」です。
ただ、いじめられたと感じたからやり返していいのかというのは別の問題です。特に、手が出たり、足が出たりの暴力は論外です。反論するのとはちがいます。
日本では「自力救済」は認められていません。
なぜなら、それを認めると「復讐の連鎖」が始まるからです。
そして、からかわれたり、悪口を言われたからといって
相手に暴力をふるったり、怪我をさせてしまったりすることは
基本的に「過剰」でありますので、
暴力や、怪我をさせたものが処罰の対象になり、処罰を決定するうえで、「悪口を言われていた、からかわれた」ことを参考に処罰の内容が多少変わってきます。
(難しい言葉でいうと、量刑を決める際の情状酌量ですね。)
ですから、いじめられたと子供が感じたときにすぐにSOSを大人に出してほしいと思います。
そして、親子関係は、そういうときにSOSが出せる関係を築いていってほしいと思います。
また、今回は、自分がいじめられていた場合について書かせていただきましたけれど、
友人がいじめられている、からかわれているといった場合も同様です。
人を助けるための暴力を容認するのなら、
それは理由があったら暴力をふるってもかまわない、
理由があったら嫌がらせをしてもかまわない、
という法治国家とは無縁の社会ができあがります。
また、暴力では何も解決しない、その部分はしっかりと心の根底にしっかりと重しとして置いていただきたいと思います。