埼玉の16歳少年殺害事件はいじめに構造が似ている

夏休みも終わりに近づいたこの時期、またも痛ましい事件がおきてしまいました。

 

埼玉県で、16歳の少年が、少年グループの暴行の果てに殺されるという事件です。

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事件の概要を追ってみると、6日前に知り合ったばかりで、何度か共に行動をするうちに、ポジショニングとしては、いわゆる「ぱしり」という下っ端として使われ、根性を試すと言っては根性焼きという行為をされ〈煙草を押し付けて火傷をさせる〉、コンビニ等への買い物をさせられる関係になっていったようです。

 

この構造は、いじめの構造に似ています。

同じグループとして行動しているから、外からは一見「仲間」として見られる、一番下っ端なので、ほとんど人格がなく、何をしても許されるというふうにグループ内で見なされ始める、そして暴力を含めた加害行為がエスカレートするという構造です。

 

何度もこのような行為を繰り返されると、被害者は考えること、抵抗することができなくなり、その構造の中に自分の位置を見出してしまうのです。

 

背景には、学力の問題、貧困の問題等があるのでしょうけれど、一番の問題は、「してはいけないこと」という行動の規範が、幼少期から醸成されてこなかった、そして、1人ではできないけれど集団になると空気なようなものが作られて、暴力行為に対して何の良心の咎めもなくなるという心理です。

 

8月の後半は、9月にいじめの自殺が多いということで私たちも発信をしておりますが、昨年の川崎の事件にもみられるように、夏休み中の少年グループの行動などにも目を光らせる必要があると思います。